従来のウォームギア・ラチェットギアだけがセルフロックギアではありません。
庄司ロックは複合ハイポサイクロイド機構(平歯車機構)を採用してセルフロックを実現しました。
歯車減速機において入力軸からは正・逆両方向に回転出来るが、出力軸にトルク即ち回転力を加えても固定されて動かない性能を有する。
現行の歯車装置におけるセルフロック機構はウォームギア(回転運動)とねじ&ナット(直線運動)構造が主流であり、これらは何れもねじ面の捻じれ角と摩擦係数にロック性が左右される他、噛合面の滑り要素が大きいため摩擦係数対策として熱伝導率の良い高価な銅合金のウォームホイルやナットを当てるのが常識となっている。
本セルフロック機構はこのような摩擦によらない、全く新しい理論に基づく画期的な機構である。(一部機種除く)
- 平歯車を用いたセルフロック機構内蔵
- 銅合金製のウォームホイルに対し、高抗張力鋼のため、摩耗折損皆無(一部機種除く)
- 複数歯の噛合のため伝達トルク大。従って小型軽量化が図れる。
- 入出力軸直交のウォーム減速機に対し、同軸(インライン)でコンパクト設計実現
Shoji Lock開発秘話
Shoji Lockの特長
- Self Lock
止めた位置でセルフロックします。
ブレーキをかける必要はなく、操作中にハンドルから手を離しても安全に荷重を保持します。
- Safety
安全です。
ブレーキ解除も不要でリスタート可能。簡単構造で操作ミスを防げます。
- Small
小型・軽量です。
微小歯数差複合ハイポサイクロイド機構を採用しているため、 少ない歯車数で高い減速比を得ることができ、
入出力軸から一直線上(インライン)のため、小型・省スペース化・軽量化が図れます。
- Silent
静かに動作します。
ラチェット爪のような回り止めやクラッチを必要としませんので、回転操作は滑らかで極めて静粛です。
夜間や静寂での作業にも最適です。
- Strong
耐久性に優れています。
高抗張鋼を使用した強固な平歯車のみで構成されているため、摩耗・折損に強く、耐久性に優れています。
また、主要部は密封構造(IEC規格IP65相当の防水・防塵タイプ)となっております。
- Speedy
素早く電動操作も可能です。
ハンドルを付けて手動に、市販の電動工具を使って電動に、ひとつで手動/電動両用のハイブリッド型減速機構内蔵機種もあります。
電源のない現場(建築現場、外装工事、リフォーム等)での作業に最適です。
米国、欧州、台湾、中国、韓国での国際特許も取得済み。
また斬新な発明として平成14年かながわビジネスオーディション2002奨励賞、藤沢市新製品開発奨励賞、平成17年第57回「神奈川県発明考案展覧会」県知事賞受賞等を受賞。
新セルフロック機構「 Shoji-Lock 」基本構造
偏心した入力軸とABCD歯車、少ない部品点数で構成
「shoji-lock」の基本構造は遊星歯車機構の一つである複合ハイポサイクロイド機構(2K-H型)を採用しました。
入力軸に正又は逆転を与えると入力軸と一体の偏心軸(内歯車と平歯車の噛合中心距離)が回転します。 すると固定された内歯車A(図の青色部分)に噛み合う二段平歯車B(図の緑色部分)が内接しながら自転し、一体となっている二段平歯車C(同じく緑色部分)が駆動内歯車D(図の黄色部分)を回転されることで出力軸を駆動させる仕組みになっております。 そして出力軸に回転力(トルク)Fcを作用させると固定されている内歯車A(青)と噛み合うB(緑)には反力Fbが発生します。 この時の合成されたベクトル(合力R)ができる限り入力軸芯の近傍通るように歯数、モジュール、軸の偏心量等を調整し、設計することにより、弛みトルクを発生しない構造となります。
詳しい技術説明をご覧になりたい方は
「新セルフロック機構について」 - (社)日本歯車工業会 論文 -
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新セルフロック機構シミュレーション実施
上記「shoji-lock機構」について(株)エムオーテックアイデアズ様にセルフロック構造の解析を依頼。解析ソフトSimulationX(ESI社(独))を使用し、機構解析シミュレーションを実施したところ、基本構造、派生構造(ピンタイプ)共に出力側からは回転しない(セルフロックする)ことが証明されました。
協力会社:株式会社エムオーテックアイデアズ(横浜市)